K's Tech Blog

海外を拠点としながら働くWEB系エンジニアの徒然ブログ

中国でのVPNについて 〜 旅行者は香港SIMがオススメ

大家好

中国で働くのITエンジニアとして避けては通れない話題、中国でのVPNについて。一度は書かないといけないですね。
VPNとはVirtualPrivateNetworkの略で、暗号化された仮想的なネットワークのことです。

もしあなたのインターネット通信が「私はあそこにアクセスします。内容はこうです。」のようにはっきりしていた場合、中国としては「ちょっとそこは都合がよくないので、アクセスさせません」というようにあなたの通信を監視・ブロックします。
自由なインターネット通信が中国にはありません(そのような国は他にもありますが)。




中国ではGoogleが使えない、LINEが使えないなど聞いたことがあるのではないでしょうか? そうなんです。ちょっと中央に都合がよくないところには繋がりません。
GFW(Great Fire Wall / 金盾)というシステムがあなたの通信をチェックして、アクセスを監視・遮断します。
FacebookTwitterはもちろんYouTubeも使えません。 中国国内からインターネットで海外に接続しようとすると、このGFWを通過する仕組みになっています。
このGFWでは通信パケットを検閲し、遮断ルールに沿って、通信を遮断します。

専門的な話ではありますが、有名な妨害工作は以下の2つです。

  • DNS汚染 : 国内のDNSサーバーを汚染させて、ドメインの解決を妨害します。この場合はhostsに自分で記載すれば解決できます。 結構細かくサブドメインレベルで遮断しているようです。 例えば、「www.yahoo.co.jp」はOKですが、「search.yahoo.co.jp」はダメです。「hangouts.google.com」や「mail.google.com」はOKですが、「www.google.com」や「inbox.google.com」はダメです。

さらに、政治情勢によってどれくらい遮断するかなどは変わってきます。政治的に大事なタイミング(全人代など)では締め付けは厳しくなります。 こちらのサイトで試せますので、是非チェックしてみて下さい。
www.comparitech.com



では、それらのサイトにアクセスしたい場合はどうするのか。 ここでVPN(Virtual Private Network)を使います。 これによりGFWの検閲をすり抜けることができます。これを俗に壁超えと言いいます。 有料・無料のVPN業者や怪しいアプリがたくさん出回っています。この中から本当に使えるVPN業者やアプリを見つけなければなりません。
ちなみに無料のVPNアプリは、通信情報を売られているという話しがありますので、正直オススメできません(無料には訳があります)。

有料でよければ、大手どころの

「VyprVPN」
www.goldenfrog.com

「ExpressVPN」
www.expressvpn.com

あたりがおすすめです。


中国対応をしっかりやっているところでないと、つながらなくなることが起こります。
上記2社は中国を特別視しており、がっつり対応しています。月1000円程度です。


これらのサイトに登録してアカウントを発行し、クライアントのアプリをインストールして設定すれば使えるようになります。VPNに接続できると、スマホだと画面上部に「VPN」と表示がでます。

もちろんGFW側もVPN業者を放おっておきません。VPNサーバーへの接続をときどきブロックします。 ですので、VPN業者は本気で中国対策しておかないと、急にVPNの接続が出来なくなるということになります(それで中国対策を公式に諦めたVPN業者もありました)。

www.goldenfrog.com



さらにApple Storeなどのアプリ配信サイトではこれらVPNのクライアントアプリは除外されていますので、Apple Storeを日本に切替えるなどもしないといけません。 もちろんVPN関連のサイト自体もGFWによりブロックされています。
ですので、オススメは中国に赴任する前にVPNの登録はしておきましょうということです。 VPNを導入するのにVPNが必要ということになります。難しいですね。


大分大変なことをご理解頂けたかと思います。 でもそんなことで、日本の方々が中国に旅行に来ることを諦めてしまうのも悲しいです。
なのでもっと簡単な壁超えの仕方を教えます。 それは香港SIMです。


香港SIMとは名前のごとく、香港で使う携帯のSIMカードです。これを中国本土で利用します。 なぜかと言いますと、海外通信会社の通信(海外ローミング)をGFWは検閲しないんです。
ですので、香港SIMを日本で買って、中国に着いたたら携帯のSIMを差し替えましょう(日本のAmazonで買えます)。 そうするだけで快適なインターネットライフを楽しむことができます。

香港SIM
香港SIM

詳しくはこちらで
c-study.net


なおSIM対応ではなくて、空港でwifiルーターを借りようとする場合は気をつけてくださいね。VPN付きがありますので、事前に確認しておくことをお勧めします。
lb-hikaku.com


技術的な話ですが、VPNみたいなものでshadowsocksというのもあります。興味がありましたら是非。

addonecubit.com

語り始めれば止まらなくなる話題ですが、今日はここまで。


そのうち、VPNサーバーを自作する話も書きたいと思います。


中国とGFWは切っても切り離せない問題ですので、うまく付き合っていきましょう。