K's Tech Blog

海外を拠点としながら働くWEB系エンジニアの徒然ブログ

Google Meet + Tactiqで英語字幕を保存する

みなさんこんにちは。


グローバル時代になって、英語でWEBミーティングをする機会が増えているのでないでしょうか?
現在Google Meetには以下のように、リアルタイムで音声を文字起こししてくれる機能(字幕)があります。

Google Meetの自動文字起こし
https://blog.google/products/meet/bringing-google-meet-to-more-people/


この記事を執筆時点で、英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語の5ヶ国語に対応しています。
日本語に対応してくれたら嬉しいですが、難しそうなので、そこは期待しないで待ちましょう。


この字幕機能をONにして英語話者とミーティングしていると、英会話に自信がない方は、「あれ、今なんて言ったの?」と思っても、字幕を見れば付いていけるかもしれません。

通訳を付けて会議している人でも、通訳が英語を日本語に翻訳するのを待たずに、字幕を見ているだけで、何を話しているかなんとなくわかるかと思います(日本人は英語を読むことなら以外とできる)。翻訳者の負担も大分減るかなと思います。



Tactiq

さて、私は最近ふと「このMeetで表示されている字幕をそのままテキストに保存できたら、後で見返せるし便利じゃないかな」と思って、Chromeのアドオンでも作ろうかなと思っていたのですが、世の中にすでにありました。

Tactiq(タックティック)です。

tactiq.io

LinkedInを確認しますと、2020年にオーストラリアで創業されて、従業員は3人くらいらしいです。




まず、使い方ですが、Chromeにアドオンを入れましょう(Edgeにも対応しているようです)。

Tactiq for Google Meet Transcription - Chrome ウェブストア

その後は、TactiqにGoogleのアカウントを認証させます。これはTactiqがあなたのGoogleDriveにテキストを保存するためです。

そしてMeetに参加しますと、右側にTactiqのウィジェットが表示されます。あとは、会話されている言語が判定されて、記録が自動で開始されます。

右側にTactiqのウィジェットが表示されます
右側にTactiqのウィジェットが表示されます

ウィジェットを展開しますと、自動保存するかどうかも設定可能です。

自動で保存するかを設定できます
自動で保存するかを設定できます

英語ミーティングを頻繁にされない方は自動保存をOFFにしておくことをおすすめします。でないと日本語会議まで、変な英語が保存されてしまいます。英語会議のときだけONにしましょう。

Tactiq管理画面
Tactiq管理画面
私のGoogleDriveに保存されています
私のGoogleDriveに保存されています

実際に保存されているGoogle Docです。誰が話したかまできちんと記録してくれています。

News記事を読んでみました
News記事を読んでみました

価格

価格ですが、無料でも30会話/月くらい保存できます。使ってみたのですが、短い会話の場合には、カウントされていないようです。

価格リスト

セキュリティ

さて、個人利用ならまだしも、企業ユーザーがこれを使うとなるとセキュリティが気になります。
まず、Tactiqに会議内容が保存されているかどうかですね。

プライバシーセンター

プライバシーセンターによりますと(意訳)、

我々は、プライバシーがユーザーの一番の関心事だと認識しています。音声を字幕にする機能は、ユーザー側で行われており、どこにスクリプト(翻訳文章)を保存するかはユーザーが設定できます。
我々は、ユーザーが(Tictaqサーバーに保存すると)選択しない限り、あなたのスクリプトをTictaqが保持することはありません。
我々は広告を表示しないし、あなたのスクリプトを広告業者に渡すことは決してありません。

私にはGoogleDrive以外の場所に保存する選択肢は発見できませんでした。無料ユーザーだからかもしれません。

プライバシーポリシーのセキュリティ

プライバシーポリシーのセキュリティ項目では(意訳)

あなたのデータはSSL通信により、GoogleCloudに転送されています。
定期的にセキュリティ監査も行うし、ちゃんとした人しかシステムに触ることはできません。

まず、エンジニア目線でいうと、スクリプトを自分たちのサーバーにはできる限り保存したくないです。
会議内容はとてつもない秘密情報ですし、もし自分たちのサーバーに保存するするとなると、セキュリティ対策に莫大なコストがかかってしまいます(SOC認証とか取らないといけないですね)。
また保存するサーバー費用もかかりますよ。バックアップにも費用が嵩みます。立ち上がったばっかりのベンチャーができる代物ではありません。
なら、ユーザーのところ(ユーザーのGoogle Drive)に保存してしまおうというのは、自然な考えです。

もともとGoogle Meetの字幕表示したものをかっさらう仕組みでしょうから、音声を字幕に変換する機能を自分たちで開発する必要はないです。
唯一残るところは、ユーザーからのスクリプトの情報をTictaqのサーバーで送って、それをユーザーのGoogleDriveに保存するところですね。
スクリプトの中身をシステムが解析する必要はないですが、少なくともTictaqサーバーは通るでしょう。ここはきちんと実装しないといけないですね。


サーバーはGoogle Cloud Platformを利用しているようですから、ちゃんと利用していれば、ある程度の信頼性はあるかなと思います。

Tactiqは公式にGoogle Cloud partener であると認識されています

とも記載されていますね。


また利用ユーザーには、Netflix, Shopify, Salesforce, Red Hat, Twitter, Spotifyなど名だたる企業が記載されています。
彼らがセキュリティ上は問題ないという決断を下したと思えば、我々の判断の一助になります。



企業用途で利用するかどうかは、きちんと社内のセキュリティ部門を通してから行いましょう。



できたら、このサービスをGoogleが買収して、Meetのデフォルト機能として組み込んでくれたらセキュリティ問題も大分なくなるので、嬉しいですね。

以上、あまりTictaqに関する記事が見当たらなかったので、書いてみました。